熱化学方程式と平衡と触媒
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1.熱化学方程式
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反応熱が+なら発熱反応、ーなら吸熱反応という。+という事は熱を出しているから発熱、−ということは熱を吸い取っているから吸熱である。上記の熱化学方程式の反応熱は3つとも+なので、3つとも発熱反応である。 反応熱とは、反応したときの熱の事をいうが、反応には様々なものがある。例えば、酸とアルカリを加えると熱が出る。これを中和熱という。あるいは、モノが溶けると熱が出る。例えば水酸化ナトリウムを水に溶かすと熱が出る。これを溶解熱という。その他に蒸発したら気化熱、燃やしたら燃焼熱、モノができたら生成熱、色々な熱量の総称である。反応熱の全seriesを学んでも最初は満足するだろうが、そんなのは常識で分かる程度ものである。例えば、『酸とアルカリで中和したら熱が出た、と言ったら中和熱』、というように当たり前なのでpassしてよい。つまり、普通に考えるとmissしやすいうるさい定義の熱量は2つだけである。それが、生成熱と燃焼熱である。 燃焼熱は『燃焼』と言う語から『燃やせばよいのではないか?』と思いがちだが、そうではない!例えば、上記の熱化学方程式の2行目の式を見ると確かに炭素が燃えているが、燃焼熱ではない。不完全燃焼の場合は燃焼熱とは言わない。完全に燃やさないと燃焼熱ではないのだ。この式の場合は、二酸化炭素(CO2)が生成しないと燃焼熱の定義にあてはまらない。 生成熱の『生成』とは出来上がると言う意味だが、モノが出来上がれば良いと言うわけではない。原料が決まっている.枠☆☆の中を見ると『単体』からと書いてある。例えば、上記の熱化学方程式の3行目の式を見ると二酸化炭素ができている。ついつい『二酸化炭素の生成熱!』と考えてしまうのはダメ!。原料にCOがある。COは化合物である。つまり、化合物が原料にある場合、生成熱とは言わない。炭素C(単体)と酸素の単体O2から二酸化炭素ができているから燃焼熱の定義にあてはまる。
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上記の事柄は事柄は読んですぐに理解できるモノではない。つまり、具体的に色々な問題を扱いながら立ち戻って上記の事柄を読み返すことを繰り返しながら理解していくものである。
『/mol』と示しておくと1molあたりの熱量を指定している。1molと10molでは熱量は10倍も違ってしまうから1molあたりという事を示しておく必要がある。しかし、方程式ではそのようなことはまず書いていない。方程式でそのように書いていまったら間違いである。つまり、方程式の中には『1mol』ということがはじめからsetされている。だから、方程式で『/mol』と表記してしまったら間違いなのである。 そろそろ問題を解く!ここでも、2通りの解き方をする。まずは教科書的な泥臭い解き方で問題を解き、つぎにspeedyな解き方で解く。 まず、求めるものを見てみよう!
炭素3つが完全燃焼して二酸化炭素3つ、水素8つは水4つになる。酸素の数を勘定すると5O2 になる。酸素の数を後回しにすれば、誰にでも上記の式は書けるはず。このときの熱量をQとして求める。・・・ただし、Qを求めるのだが、与えられているデータを方程式にする。 C(黒)+O2 = CO2+394kJ ・・・(1) (2)の式を『2H2 + 02』と書く人もいるだろうが、そうすると生成熱は572kJとなり、2H2Oが出てきてしまう。そうすると上記の枠☆☆☆に反してしまうので熱化学方程式とはいわない。 C3H8 +502 = 3CO2 + 4H2O + 2220 kJ このようにして燃焼熱を求めるのだが、方程式の組み合わせを見つけるのに手間がかかる。(1)の3倍とか(2)の4倍とか方程式を全部書く、消去したりして途中の式も全部書いても評価されるのは熱量の値だけ、というのはかなりホネが折れる。
この方法は、入試では一回は重宝する解法である。この解法だと先ほどの解法よりも10倍は早く解答にたどり着く事ができる。
C → 394 、 H2 → 286 、C3H8 → Q このように十分に駒はそろっている。 どうしても燃焼熱にならなかったのが、プロパンの生成熱である。つまり、(3)の式では燃えていないから材料にはならない。材料にならないのを1つだけのこしてそれを祭り上げる。この106を求める。求めるモノは何でも良い。材料が燃焼熱onlyならばよい、という法則である。 3C(黒) + 4H2 = C3H8 + 106kJ ∴ Q = 2220kJ 普通反応熱というと正の時には+をつける。もちろん負のときは−をつける。しかし、+をつけなくてもいいときがある。それは、燃焼熱である。燃やしたら熱が出るのは当たり前なのでわざわざ、+をつける必要はないのだが、反応熱は正の時+をつけるのが礼儀なのである。 鉄則
実はこのイメージ一つで全て終わりなのである。液体よりも気体の方がエネルギーが高い。理由としては、分子間の距離が長い、つまり、液体よりも気体の方がバラバラな状態。分子よりも原子、といったようにバラせばバラすほどエネルギーが高い。このイメージを大切にする。このイメージだけでよいのだが、もう一つのmethodとしてエネルギー図を書く。熱化学方程式のみを用いて結合エネルギーを解くと+、−の位取りのミスが多くなる。図を書いて解くとエネルギーは長さであらわされるから、−は長さで表せないため+,−の位取りのミスは100%防ぐ事ができる。理論化学で最も簡単な分野なのでミスなく確実に解きたい。
<解答> ![]() エネルギーの一番下にいる人は古文で例えると地下人、一番上にいる人は天上人に例えられる。 バラバラになるほどエネルギーが高いという事は完全に原子レベルまでバラバラにしたらエネルギーが一番大きいという事になる。 実際の計算では赤い矢印とオレンジの矢印を足すと青い矢印の長さに等しくなる。 679kJについて・・・ H2が436kJである。結合エネルギーについては誤解している人が多い。結合エネルギーとは結合している強さではなくて結合を切るために必要なエネルギーという事。つまり、436kJのエネルギーを加えると水素同士の結合が切れる。243kJのエネルギーを加えると塩素同士のエネルギーが切れる。だから、679kJのエネルギーを加えると両方一度に切れる。 あとは計算するだけでよいので青い矢印は864kJ。HClの係数が2であるから2モルのHClの結合を切るためのエネルギーは864kJという事なので2で割れば1モルあたりの結合エネルギーが求まる。
3.反応速度
一応、熱化学の範囲なのだが分野としては大きく変わる。
これは原料の濃度に比例する。上記の枠☆☆は定義で滑り止め程度の大学の入試で聞いてくるので覚えておく。 ・k1、k2 → 反応速度定数(温度の増加関数) k1、k2は定数ではなく関数なのである。温度は一定ならば一定値なのだが温度によって値が変わる。それが温度の増加関数である。難しく考える事はない。温度が高くなると必ず値が高くなる程度のイメージでよい。どんな関数なのかを気にする必要はない。
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反応速度と言うのは条件によって速くなったり遅くなったりする。上の条件は速くなる条件だが逆の事をやれば反応速度は遅くなる。 3−1.化学平衡 例えば今回のように水素とヨウ素でヨウ化水素が生成する。反応速度をグラフにそって見ていくと横軸はtimeのtである。V1はtとともにだんだんと下がってくる。例えば水素とヨウ素を反応させると原料が減ってくる。だから、だんだんV1は遅くなってくる。 ヨウ化水素は最初はなかったと仮定する。最初はヨウ化水素がないのだから抵抗できない。しかし、だんだんとヨウ化水素が出来上がってくると、逆反応がだんだんと起こってくる。一旦、青いラインのところで停止したならもう離れないで平衡と言う状態が成立する。定義はV1=V2である。もちろん注意しなければならないことは見かけ上静止していると言うことである。平衡状態になっていても中ではV1もV2も動いているのだが、反応のスピードが同じなので止まっているようになる。この状況を化学平衡と言う。 3−2.平衡定数 K = [HI]2 / [H2][I2] (= K1 /K2) 左辺が分母、右辺が分子係数2に2乗になる。これはどこかで見たとこがある。電離定数の式である。ちなみに、酸・塩基についての平衡定数が電離定数なのだ。
K1、K2どちらも増加と言っても増加の仕方があるので、その度合いによってK全体の増加の仕方が変わってくる。
濃度に()がついている。”何だ?”と思うかもしれないが、これは一般的だからである。普通に平衡定数と言うと、濃度で表す濃度平衡定数である。これを特に”Kc”と表す事もある。上記のような非常にpopularなモノがあれば、minorなモノもある。 ・ 圧平衡定数(分圧を用いる) これは、しっかりと『圧』とつけなければならない。なぜなら、minorだから。 KP = PHI / PH2 × PI2 これは濃度ではなくてこれは分圧を用いる。minorなので、『圧平衡定数や!』というだけにPをつけておかなければならない。だから、圧平衡定数の場合には必ずKPと言う風にPがついている。 鉄則 4.ル・シャトリエの平衡移動の法則 平衡というのは見かけ上とまっているのだが、条件を変える、例えば温度を高くすると少しずつ動いてしまう。つまり、右へ移動するか左へ移動するかをここでは考える。 (1)濃度: N2 + 3H2 →← 2NH3 窒素と水素を反応させるとアンモニアができる。これはいわゆるハーバー法である。例えば、この平衡において水素を加える、あるいはアンモニアを取る。それぞれ操作は違うのだが平衡は右へ移動する。考えてみれば当たり前である。水素を加えたら、水素を左辺に加える。水素が少し増え過ぎになるので減らすために反応が右へ行く。
(2)圧力 → 圧力が高くなると、分子数を少なくして凌ぐ N2O4 →← 2NO2 ← 右辺は2分子、左辺は1分子で圧力が高くなると平衡は左へ移動する。つまり、圧力が高くなると分子数を少なくして凌ぐ。 (3)温度 → 発熱反応は冷やせば右辺に進む☆☆ 実は、ル・シャトリエの法則の勝負処はここである。上記の事柄を忘れてしまっても導き出せるので特に心配はない。 N2 + 3H2 = 2NH3 + 89 kJ これは発熱反応なので、エネルギー図を書くと右辺が下になる。 エネルギー図を使う! K = [NH3]2 / [N2][H2] 3 → 減少関数(発熱反応) この反応について、平衡定数を書いてみると上記のようになる。これは減少関数である。つまり、温度が上がると分母の方が大きくなる。だから、温度が上がるとKの値は小さくなるので発熱反応の場合、減少関数である。逆に吸熱反応の場合は、動きが逆になるので当然、増加関数になる。 (4)触媒 → 平衡移動には関与しない これは、丸暗記するのが無難である。上記の事柄は触媒を加えても平衡は移動しないという事を示している。反応速度でも述べたが、触媒を加えると反応のスピードが上がるから早く平衡状態に達する。しかし、行き着くところは同じなので、触媒には平衡移動に作用する力はないと言及できる。 ・触媒 ●と●は左辺と右辺のレベルである。山は左辺と右辺をエネルギー的に結んだだけのもの。このことから、反応するとは言っても普通には反応できない。例えば、●が反応して●になる。左辺から右辺になるときスムーズにはいかない。山を越えなければならないからだ。この越えるべき山の高さを活性化エネルギーと言う。 (1)活性化エネルギーを低下させる 活性錯体を作るという事は結局、活性化エネルギーはそれほど必要としないのだから、活性化エネルギーは大幅に下がる。 (2)(1)の結果、反応速度を増加させる。 活性化エネルギーが低下したので当然、山の向こう側へ行きやすくなるので当然の如く反応速度は速くなる。 (3)平衡移動には関与しない (4)反応熱は変化しない 正触媒 ←→ 負触媒(ハッキンカイロ) 反応熱はstartとgoalのみで決まる。触媒を加えても活性化エネルギーが低下するだけで反応熱は全く変化しない。 |
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