イオン化傾向について

・金属のイオン化傾向

 K > Ca > Na > Mg > Al >Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H) > Cu > Hg >Ag > Pt > Au

(語呂合わせ)

 貸そうかな?まあ、あてにするなひどすぎる借金

 これは新しい範囲かというとそうではない。これから気体の製法・性質をこのように理解した上で理解する為のもの。金属のイオン化傾向を全く知らないとこれから先、化学が分からなくなってしまう。
 イオン化傾向で登場するイオン化列はイオン化傾向の大きい順に並べられている。そして、大小関係で表しているのでこの順番を完璧に覚えなければならない。
 これは金属の一部である。金属というのはたくさんあり、そのうちの一部を列挙している。大学入試では必ずこの範囲で出題される。
 使い方は、この中から適当に2つの金属を取ってきてどちらが大きいか小さいかを考えればよい。例えば、亜鉛と水素ならば亜鉛の方がイオン化傾向が大きいというように考えればよい。ちなみに水素は金属ではないが、イオン化傾向の中では非常に重要なのであえてイオン化列に含む。この場合、金属ではないので多少の遠慮を示して()でくくっている。

 

 ex)
 化学反応式を記せ

 (1) 亜鉛と希硫酸
 (2) 銅と希硫酸

 化学反応式!
 これは、現代人だという感覚が本当に重要となってくる。

 希硫酸とは薄い硫酸のこと。ようするに、亜鉛に薄い硫酸をかけたということ。

 ☆ イオン化傾向

 Zn > (H) > Cu

イオン化傾向を考えると上記のことが導き出される。
 何でこのようになるのかと聞かれても、イオン化傾向で決まっているから仕方がない。

(1)Zn + 2H+ → Zn2+ + H2↑  イオン反応式

 何で水素が出てくるのか?
 酸・塩基で酸といったら水素イオン(H+)なのでH2SO4は水素と表記する。酸といえばH+だから、水素が出てくる。
 例えば亜鉛に希硫酸、酸だからH+。イオンになり易いのはZnとHのどちら?答えは、亜鉛である。理由は亜鉛の方がイオン化傾向が大きいからだ。ならば、亜鉛の方がイオンになりやすいはずなのに何故水素にならなければならないのか?
 亜鉛の方がイオンになりやすいのならば、亜鉛がイオンになり水素はイオンの状態から脱出。これは、イオンになりやすいと言うことは脱出しやすいと言うこと。従って、イオンとは溶けているということ。この事は当然である。イオンとは、電気を持った物質で空気中をふらふらされていては困る。そう言うわけでイオンとは水に溶けている状態。つまり、亜鉛が溶けて水素が発生する。
 上記の式はイオン反応式だから、”これは「平安朝」だという意識を持たなくてはならない。つまり、原始時代から平安朝まで進化した状況だから、ウラには原始人がいることを意識しておく。

 半反応式

  Zn → Zn2+ + 2e-

  2H+ + 2e- → H2

 では電気が釣り合っていると考える。亜鉛がイオンになっているということは電子を出しているということなので還元剤と判断できる。
 では逆に水素イオンはありがたく電子を奪って水素ガスになっている。この事から酸化剤と言うことが判断できる。
 つまり、本来は半反応式から電子を消去して出来上がった式だが、イオン反応式から考えていきたければそのようにすればよい。何も”原始人”から組み立てるだけが能ではない。イオン化傾向などが分かっていたならいきなり”平安朝”から考えていけばよい。
 この反応は酸化・還元だけど”平安朝”から考えていけるなら、そこからロケットスタートを切ってすぐさま”現代人”へと進化させてよい。(いや、させるべきだ!)

 
   Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2

 この問題では希硫酸を亜鉛と反応させているので、硫酸イオン(SO42-)を足す。
 この式は簡単な式なのだが、何となく書いていた人も多いのではないだろうか。実はこの式のウラにはイオン化傾向が関与している。更にウラを見てみれば酸化・還元が関与している。実は、イオン化傾向というもの自体応用は簡単で”平安朝”から考え初めて”現代人”へと進化させるのは簡単だ。

 

(2) Cu + H+ → 溶けない

 希硝酸は酸なのでH+が登場する。
 あれ?
 水素の方がイオンになりやすくて、最初の式からイオンになっている。これは辻褄が合っている。
 これははじめからあるべき姿になっているので反応はしない。あるべき姿でないものがあるべき姿になる。これが「反応する」と言うことである。
 はじめからあるべき姿になっているのならば反応する必要は全くない。(2)の問題は「反応しない」もしくは「溶けない」と言うのが答えになる。亜鉛は反応したけど、銅はイオン化列の亜鉛とは水素を挟んで反対側にいるので反応するわけがない。このようなimageを持つ。

 銅は溶けない。しかし、この銅を無理やり溶かしたい!
 ここはH+つまり酸ではダメだ。酸でダメならアルカリなら、と考えがちだがそう言うレベルの問題ではない。特殊な酸を使わなければならない。

 銅は酸化作用のある酸に溶ける

熱濃硫酸

1・2
3・8
1・4

希硝酸

濃硝酸

 「酸化作用がある」と言うことは電子を奪い取る力があると言うこと。熱濃硫酸とは「ただの硫酸ではダメ、濃くないと。濃いだけではダメ、熱くしないと。」と言ったように細かい注文が付けられている硫酸と認識しておこう。
 上記の反応は他には希硝酸と濃硝酸との2つのみとなる。結局は硝酸の反応である。硝酸との反応は濃い場合と薄い場合とで反応式が違うので分けてある。

・SO2 ・・・ 銅と濃硝酸を加熱する

  Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O

・NO ・・・ 銅に希硝酸を加える

 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3 )2 + 4H 2O

・NO2 ・・・ 銅に濃硝酸を加える

 Cu + 4HNO3 → Cu(NO3 )2 + 2H2O

普通、銅は酸には溶けない。これを無理矢理に溶かす。単に気体の製法だと見てしまったらそれだけで負けてしまう。
 銅は頑固なやつである。この頑固者を無理矢理溶かす。たまたま、この気体が発生すると考えないと『全部覚えなくてはならないのか』というレベルにまで落ち込んでしまう。
 ここのポイントは『フリーダイヤル 0120-12-3814』と覚える。実際にこの番号に電話してはならない。どこに掛かるか分からないから止めておいたほうがいだろう。
 上記の3つの式をイチから組み立てるのは非常に煩わしい。だが、入試ではよく出題されるので要点を押さえておく。
 『12-3814』の12とは、銅が1モル硫酸が2モルという割合で反応が起こると言うことである。銅が硫酸に溶けるならばその溶液は硫酸銅になる。この分野の範囲がよく分かっていない人がよくやることは、水素を発生させてしまう。そのようなことをしてはダメ!『水素など発生するわけがない』のは前述で理由を述べたとおりである。だから、どんなに反応式の組み立てで困っていても銅が溶けて水素が発生するというのは100%間違いであることを肝に銘じておこう!
 では、水素が発生しなければどうなるのか?無難に水になる。反応式の組み立てに水を生成させるのは非常によい感覚である。
 水は生成エネルギーが低いので何かにつてけ反応が起こったら水ができる。理由として、化学ではエネルギーの低い方が反応がスムーズに進むからだ。だから、何かにつけて水が出来る。
 したがって、とりあえず水を出してみようというのは非常によい推理となる。反応式の両辺は等しいはずだからじっくり数えてみると、SO2が1つ余った。よって二酸化硫黄が発生することが分かる。
 次に『12-3814』の38とは、銅が3モル硝酸8モルで反応すると言うことである。銅が硝酸に溶けるのだから硝酸銅というものができる。そして水素はイオン化傾向が(H)>Cuでイオンになるので発生しない。両辺を見比べてみるとNOが2つ足りない。よって一酸化窒素が発生することが分かる。
 最後に『12-3814』の14とは、銅が1モル硝酸4モルで反応できると言うこと。反応式には濃いとか薄いとか書かない。それでも濃度が濃い薄いには関係なく硝酸であることには変わりがない。だから、反応式では濃度の濃い、薄いの区別は反応式では出来ない。ただ、係数の違いで『この場合は希硝酸』とか『この場合は濃硝酸』といった判断が出来る程度である。濃度が濃かろうが薄かろうが硝酸であることには変わりなく、溶けたら硝酸銅(Cu(NO3 )2)になる。そして、水素は発生しないから水になる。両辺を見比べて二酸化窒素(NO2)が発生しているのが分かる。

 鉄則

 ・イオンになりにくいと言うことは脱出しやすい!
 ・あるべき姿でないものがあるべき姿になることが「反応する」と言うこと
 ・酸化作用があるとは電子を奪い取る作用がある!
 ・反応式の組み立てに困ったときには水を生成せよ!
 ・試薬の濃度の濃かろうが薄かろうが係数以外に反応式は変わらない!


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