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1. 何から出来ているか?
ポリビニルアルコールは、アセチレンという分子中に3重結合を持つ炭化水素から出来ています。
アセチレン自体は、炭化カルシウム(カルシウムカーバイド)と水との反応によって生成します。
[反応式]
CaC2 + 2H2O → Ca(OH)2 + C2H2↑
アセチレンは、π結合2本、Σ結合1本の直線形の構造をしています。π結合は結合力が弱く切れやすいので、付加反応を起こすことが出来ます。アセチレンの場合は、π結合が2本あるので、2回付加反応を起こします。2回目の場合は、切れにくいので、圧力をかけて反応を起こします。この時、横並びに直線的につながるので、付加重合という。
2. ポリビニルアルコールの"ポリ"とは?
ポリとは、英語の"Poly=多"のことです。
付加重合が起こって、同じ分子が横並びにたくさんつながっているモノにこの名前が付けられます。
つまり、横並びにたくさんつながったビニルアルコールと解釈できます。
ポリビニルアルコールがあるなら、"ポリ"のつかない、単なる"ビニルアルコール"もあるの?という疑問が出てきますね。ビニルアルコールというモノもあります。
3. ビニルアルコールについて
ビニルアルコールもアセチレンから出来ています。
[反応式]

この時硫酸水銀を触媒として水とくっつけます。すると、ビニルアルコールが生成しますが、ビニルアルコールは不安定なためにすぐにアセトアルデヒドに変化します。
3-1. ビニルアルコールはなぜ不安定?
まず、ビニルアルコールの構造を考えてみる。すると、2重結合が存在します。
2重結合の右側の炭素に左側に2重結合、つまり電子が豊富でエネルギーの高い電子がたくさんあります。 2重結合の右側の炭素を見ると電気陰性度の高い酸素がいます。酸素は電気陰性度が高いので電子に対しては非常に貪欲です。
つまり、片方には、"エサ"である電子があり、片方には電子に対して"貪欲"な酸素が存在するという事で非常に不安定ということになります。
この物質を安定化するためには、電子に対して酸素の欲求を叶えるつまり、2重結合を与えます。
この様な理由で、ビニルアルコールはすぐにアセトアルデヒドに変化してしまいます。
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4. ポリビニルアルコールの生成過程
ポリビニルアルコールは、前述したようにビニルアルコールからは出来ません。
では何から作られるかというと、ポリ酢酸ビニルから作られます。
[反応式]

酢酸ビニルを付加重合すると、ポリ酢酸ビニルになります。
ポリ酢酸ビニルの分子中にエステルか結合があるので、エステル結合をけん化(加水分解)する事によって、ポリビニルアルコールが生成します。

ポリビニルアルコールを作るためには、まず酢酸ビニルを生成し、付加重合をした後に、加水分解によって、分子中のエステル結合を断ち切る。ビニルアルコールは、不安定な物質なので、付加重合をしません。
ポリビニルアルコールは、分子中に水酸基が多いので水によく溶ける。だから、ポリビニルアルコール製の衣服はありません。
もしそのようなシャツを着て、夏に外を歩いたら、汗をかいたりして、まず襟が溶けてボトッと落ち、次に両袖が落ち、20分もしたら溶けてなくなってしまっているということになります。
5. ポリビニルアルコールは何に使われているの?
ポリビニルアルコールは、よく洗濯ノリに含まれています。
ポリビニルアルコールを水に溶けなくすると衣料品に使えます。
ポリビニルアルコールにホルムアルデヒド(HCHO)を用いて、アセタール化という反応を起こさせると、ビニロンと言う繊維が生成されます。
ビニロンは、1939年に京大の桜田一郎と鐘紡の矢沢将英という日本人によって開発されました。発明された当時は、第2次世界大戦中で木綿の代用品として大変重宝されましたが、現在では一般衣料には使用されずに、作業服程度にしか使われていません。
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