セッケン

 ▼セッケンとは▼

 洗剤として用いる、高級脂肪酸のナトリウム塩。高級脂肪酸のカリウム塩はカリ石鹸といわれ、特種用途の洗剤として用いる。シャボン。

 ▼石鹸の起源▼

 古代ローマ時代に神を祭る祭壇で、生け贄として焼かれた羊肉から滴り落ちる油と木の灰が偶然に混ざりあって汚れをきれいに洗い落とす不思議な土が見つかったのが最初といわれている。

 石鹸の脂肪酸は、炭素数12〜18のものが多く用いられるが、樹脂酸、ナフテン酸などを用いられる。
 アルカリは硬質石鹸に対しては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなど、軟質石鹸、液状石鹸には、水酸化カリウム、アンモニア、アルキロールアミンなどが使用される。


<石けんと合成洗剤との違い>

石けん

合成洗剤
油脂は脂肪酸とグリセリンで構成され、それに水酸化ナトリウムを加えている。生分解がよく、毒性が少ない。冷水に溶け難い。すすぎの程度が目に見える。独特なにおいがある。洗い上がりがソフト。 主に石油が原料の界面活性剤。天然油脂のやし油が原料のものもある。分解性が悪い。冷水にも溶ける。蛍光増白剤の入っているものもある。機械油などの汚れは石けんよりもよく落ちる場合がある。洗い上がりが固い。

<石鹸を構成する単体脂肪酸のナトリウム塩>

名称 性質
ラウリン酸ナトリウム塩 極めて固い石鹸、水溶性がよく、耐硬水性も強い。起泡力に富む。洗浄力は炭素数のもっと多い脂肪酸に劣る。
ミリスチン酸ナトリウム塩
パルミチン酸ナトリウム塩
ラウリン酸塩とステアリン酸塩の中間に位置する。
ステアリン酸ナトリウム塩 極めて硬いセッケン、水溶性が悪く、耐硬水性も弱い。起泡力は貧弱。洗浄力は高温において良好。
オレイン酸ナトリウム塩 ステアリン酸に比べ、水溶性、起泡力、洗浄力はよい。これのみでは、硬質セッケンの生成は難しい。
リノール酸ナトリウム塩
リノレン酸ナトリウム塩
生成するセッケンは軟質。水溶性はよい。特にリノレン酸ナトリウム塩は洗浄力に長所はなく酸化しやすい。
リシノレン酸ナトリウム塩 極めて硬い。水溶性はよい。起泡力、洗浄力は貧弱。

飽和脂肪酸 ラウリン酸(C11H23COOH)
ミリスチン酸(C13H27COOH)
パルミチン酸(C15H31COOH)
ステアリン酸(C17H35COOH)
ヤシ油、パーム核油に含まれる
ヤシ油、牛脂に含まれる
木鑞、牛脂、米ぬか油に含まれる
牛脂に含まれる
不飽和脂肪酸

オレイン酸(C17H33COOH)


リノール酸(C17H31COOH)
リノレン酸(C17H29COOH)
リシノレン酸(C17H32(OH)COOH)

オリーブ油、綿実油、大豆油,米ぬか油、牛脂、豚油、魚油、鯨油

綿実油、大豆油、米ぬか油
アマ二油に含まれる
ヒマシ油に含まれる

 ▼水酸化ナトリウム編
     [牛乳パックで硬いセッケン]▼

<用意するもの>

牛乳パック(ビーカーでもいい)、水酸化ナトリウム、水、テンプラ油の廃油、(粉セッケン)

 ただし、一週間放置すると固まって取り難くなる場合があるので、注意が必要。

<方法>

1. 牛乳パックの口を開き、水30mlと水酸化ナトリウム15gを入れる。

2. パックの口を閉じて静かに振り、液をこぼさないように水酸化ナトリウムを溶かす。

3. 廃油100ml、(粉セッケン10g)を加え、更に混ぜる。
  粉セッケンは反応をおこりやすくするためで、特に使わなくてもよい。

4. 一週間放置後、牛乳パックを切り開いて、中身を取り出し、日干しする。
 ☆ アルカリ性が強いので、ゴム手袋をして洗う。

<結果>

粉セッケンを入れた方が硬く、色が白く、混ざりやすい。劇薬なので、牛乳パックの方が手につかず安全。
クリーム色で硬い。粉セッケンを入れた方が泡立ちがよい。

▼化学での一般的な作り方▼

<用意するもの>

ビーカー、コニカルビーカー、6mol/lの水酸化ナトリウム、エタノール、やし油、水、飽和食塩水、アルミカップ、布(叉は漏斗、ろ紙)、プロピレングリコール、ガラス棒、ガスバーナー、石綿付き金網

 

<方法>

1. ビーカーに入れた6mol/lの水酸化ナトリウム2mlにエタノール10ml入れて混ぜる。

2. ヤシ油5g入れたコニカルビーカーに1.を入れ、湯せんで温めながら、よく撹拌する。

3. 10分後、エタノール10mlを入れて、更に加熱する。アルコールが蒸発して、白い粘調な物質になるまで、混ぜる。

4. その後、水10mlを入れて、穏やかに直接加熱。泡が立つようになったら、火から下ろす。はねるので、注意する。

5. 飽和食塩水の50mlに4.を入れてかき混ぜると析出する。

6. 布でこすかもしくは濾過し、軽く絞ってから流水で塩分を落とす。やりすぎに注意する。

7. アルミカップに入れ、香料入りのプロピレングリコール0.5mlを加え、弱い火で加熱。溶けたら放置する。

<結果>

半透明。4つの中で、一番泡立ちがよい。

▼オルトケイ酸ナトリウム編▼

 ▼A▼

<用意するもの>

ガスバーナー、石綿付き金網、三脚、ビーカー、水、廃油、オルトケイ酸ナトリウム、粉セッケン、酸素系漂白剤

<方法>

1. 廃油250mlにオルトケイ酸ナトリウム62.5g、市販粉セッケン25g、水125mlを加え加熱する。まんべんなく混ざるように注意する。

2. 1.の中に一滴水を入れて、油が浮かなくなったら一気に水125mlを加える。

3. 更に酸素系漂白剤5gを加えてかき混ぜる。泡が立ち、量が増えるので、注意する。

4. 一昼夜おくと泡が減っているので、練り形を整える。2〜3日乾燥させる。

<結果>

油っぽいのでトルエンを入れて吸引濾過をして乾燥させた。油っぽいと泡立ちが悪くベタベタした。黄色く、乾燥する前は粘り気がある。

 ▼B▼

<用意するもの>

ビーカー、廃油、温度計、オルトケイ酸ナトリウム、熱湯、エタノール、水、塩化ナトリウム、ガラス棒、ガスバーナー、石綿付き金網

<方法>

1. 200mlのビーカーに廃食用油15gを入れて90℃に熱する。

2. オルトケイ酸ナトリウム4.5gを9mlの熱湯に入れて溶かす。

3. 2.を1.に加えて、廃食用油に対して、3%のエタノールを加える。
 エタノールは反応を早くするために入れる。

4. 固まってきたら水20mlに塩化ナトリウム12gを加えたものを加えて、塩析する。

5. 乾燥させる。

<結果>

Aより、泡立ちがよい。乾燥する前は黄色く粘り気がある。

[感想]

混ぜながら加熱を夏にするのは暑く、大変だった。売られているものはもっと月日をかけて、作っているのでやはり違うものだと感じた。
油が残ってしまってうまく混ざらないものがあったのとにおいが悪いのが残念だった。泡立ちは思ったより泡立ちよかった。

1999.9.12


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