〜あなたも化学で「癒」される〜 
ベローゾフ・ジャンボチンスキー反応(振動反応の不思議)


1.試薬と器具

 濃硫酸、臭素酸ナトリウム、マロン酸、1,10−フェナントロリン、硫酸第一鉄、蒸留水、シャーレ、オーバーヘッドプロジェクター、スクリーン、ビーカー等

2.準備

以下の1)〜5)の溶液をあらかじめ作っておく。

 1)A溶液:300mlビーカーに蒸留水100mlとり、臭素酸ナトリウム12.5gを溶かす。
 2)B溶液:300mlビーカーに蒸留水100mlとり、臭化ナトリウム2.5gを溶かす。
 3)C溶液:300mlビーカーに蒸留水100mlとり、マロン酸2.5gを溶かす。
 4)D溶液:300mlビーカーに蒸留水50mlとり、濃硫酸17mlを加え更に蒸留水で薄めて100mlとする。
 5)E溶液:300mlビーカーに蒸留水100mlとり、1,10−フェナントロリンを1.35gと、硫酸第一を0.7gを溶かす。(フェロイン溶液という。)

3.操作

 1)シャーレに、A溶液を2ml、B溶液を1ml、C溶液を2ml、D溶液を1ml、順に加える。
 2)できあがった混合液1)は、生成した臭素のため黄色となるので、黄色が完全に消えるまで、シャーレを揺すって待つ。
 3)黄色が消えたら、1)の溶液にE溶液を1ml加える。
 4)溶液が青色に変色し始めるので、シャーレを揺すって液を混ぜ、溶液全体が青色になるようにしてから、OHPの投射台に静置する。

4.現象

 赤紫色となった溶液に1つあるいは複数の青色の点が現れる。この点はゆっくりと成長し、しばらくすると青色の点の中心が赤〜オレンジ色となり、青色の環ができる。青色の環は次第に大きくなり、内側の赤〜オレンジ色の部分が成長し、もう一つの青色の点が中心に現れる。青色の環と、赤〜オレンジ色の環が交互に同心円上に成長する。同心円のパターンをガラス棒で壊したり、ストローで息を吹きかけてやると、その後らせん状のパターンができ、成長していく。また、ろ紙を小さな三角形の形に切り取り、液面に浮かべると、三角形状のパターンが次々と発生する。このように非常に簡単な操作で面白い現象をみることができる。
 液面が様々なパターンでゴチャゴチャしてきたら、シャーレをゆっくりと揺すって溶液を混合すると、全体が赤〜オレンジ色になり、再度新しいパターンを作

 

ることができる。ある時間を経過すると、二酸化炭素の泡が出現して図形が見えにくくなる。

5.解説

 1)振動反応

 一般の反応は、反応物質を容器中で混ぜ合わせて反応が起こり、そしてその反応が止まれば外部からある条件を加えない限り元の状態に戻らない。化学反応が自発的に変化する方向は平衡状態であり、反応の時間は反応の種類によって様々である。
 そして、その変化は後戻りせず、ひたすら平衡状態に近づきながら変化していき平衡状態へたどり着くと終了である。
 しかし、この実験の反応は、一度変化した色が自発的に元の色に戻り、しかもまた同じように変化し、そして同じ時間の間隔で周期的に変化が続く。振り子のように周期性を持つ変化なので、振り子反応やリズム反応といわれている。見た目では全く元の色と同じ色に戻るので、この反応は一般の化学の反応の原則に矛盾するように見える。

 2)振動反応のメカニズム

 振動反応は、複雑ないくつもの段階の反応が組み合わされて起こるもので全容は明らかでない。

 

<参考文献>

 日本化学会編 :「楽しい化学の実験室」
 日本化学会編 :「教師と学生のための化学実験」(東京化学同人)
 日本化学会訳編:「実験による化学への招待」(丸善)
 宮田光男 著 :「ダイナミックな化学実験」(裳華房)
 武田一美 著 :「おもしろい化学の実験」(東洋館出版社)
 左巻健男 著 :「たのしくわかる化学実験辞典」(東京書籍) 

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